しでんのファクトリー(巻き舌)

平凡な家電製品の平凡な日記なんてなかった、いいね?割と身内ネタ多めです

東方鈴蘭記 一話

二牙「…ここどこよ。」
GAME「上の者に同じく。」
ながさん「同じくー…」
はり「そだね」
紫電「ちょっとお前らいい加減降りてくれるかな。」
アステル「*お前らの下にいる*」

 

―ながさんが管理人を勤める不思議マンション「スズラン荘」。
そこに住む彼等が文字通り「山積み」の状態で一斉に意識を取り戻した。
全員バラバラと降り終えると、住人の一人「ムービン」が同じく住人の一人である「二牙」を横目に見ながらぼやき始めた。
ムービン「うー腰いてぇ…にしても何で俺らが受けた山積みの刑(?)をはりとユキは免れてるんだ?おまけににきばはまるで俺らを足場みたいにして立ちおって。」
ラピ「ユキは圧倒的幸運の持ち主だしね、仕方ないね」
しろあき「幸運A++くらいあるもんな。」
ムービン「んじゃはりの方は?」
二牙「そりゃアレだろ。はりさんへの愛的な補正。」
紫電「うわぁさすが二牙。はりさん補正が掛かると言動がキm(ry」
二牙「おっと…口を閉じろよ?青二才」
紫電「よし分かった!分かったからその槍を…あれ?二牙、お前いつのまにそんなん持ってたん?」
いつ装備したのか、二牙の両手には槍が一本ずつ握られていた。
二牙「ん、本当だ。つかお前も持ってんじゃん。それ」
二牙に言われて気が付いたが、
紫電が『円卓』の時に愛用していたスタンガンと、どこぞの神様が使いそうなトライデントを装備している。
二人以外の全員も、手に手に個性的な武器を持っている。
その内の一人、銃剣を担いだユキが辺りをぐるりと見回してから呟いた。
ユキ「…しかし本当にここはどこだ?スズラン荘の居住棟こそあるがレモンの木も無くなってる。それに…」
ユキ含む全員が、とある一点を向く。
ユキ「…見たこともない神社。」
―神社。
そう。現在スズラン荘は、どこぞの神社の境内に明らかに場違いな空気を醸し出しながら立っているのだ。

 

住人が住まう居住棟を中心に『木の下で告白したらその恋が叶う』とかいう謎伝説を残すレモンの木だの『一体何をするために建てられたのか分からない』謎研究施設だの『何かと不思議アイテムが飛び出す』倉だのととにかく不思議施設の集まり、それがスズラン荘だ。
その施設から居住棟のみがどこかにごっそりワープした、と考えるのが妥当だろう。
GAME「いやいやいやいやおかしいだろ、何で建物がいきなりワープするんだよ…」
ここで全身真っ黒なファッションに身を包んだ少年、GAMEが狼狽しながら口を開いた。
まぁ当然と言えば当然の反応だろう。
しろあき「スズランならしょうがな…くないね。
明らかに異常だね」
しろあきも続いて口を開く。
ゼク「やたらと古めかしい雰囲気だな」
じゃぶ「あ、あれじゃね?もしかしてスズラン荘自体がタイムマシンっていう。」
チェシャ「いきなりタイムスリップするタイムマシンなんて誰が得するのさ…」
予想の遥か斜め上を行く出来事に、住人全員がざわめきだした。
ながさん「とっ、とりあえず!皆落ち着いてってうわったぁあ!」
ゼロ「うわなんだよHN!いきなり大声出すな!」
変形式の剣斧を背負った08(ゼロ)がながさんが発した大声にビクリと反応した。
ながさん「ごっごめん!あ、電話か…」
ながさんがポケットで震える携帯電話を取りだし、通話ボタンをプッシュして耳元に当てる。
ながさん「ハイもしもし…」
『もしもし流君!?無事かい!?』
聞き覚えのある低い声。
声の主は、高田だった。